ビットコイン誕生のキッカケとなったリーマンブラザーズの破綻

リーマンブラザーズ

リーマンブラザーズの破綻が世界経済の変化をもたらした。
リーマンブラザーズ
2008年9月 主に企業や機関投資家向けの業務を行う、米国大手の『 投資銀行 』リーマンブラザーズ(リーマン)が破綻したことで、世界的な経済の大混乱を巻き起こす事になりました。

リーマン ブラザーズ とは

リーマン・ブラザーズ の[投資銀行]としての特徴

主な業務内容

  • M&A(合併・買収)のアドバイス
    • 他企業の買収や合併を計画している企業に対して、財務面や戦略面のアドバイスを行う。
    • 対象企業の評価(バリュエーション)や交渉のサポート、取引の構造設計を手掛けていました。
  • 資金調達のアドバイス
    • 企業が資金を調達する際、株式や債券の発行計画、最適な資本構成、発行市場の選定などに関するアドバイスを提供。
    • 特に新興市場での資金調達や複雑な金融商品の設計を強みとしていました。
  • リストラクチャリングのアドバイス
    • 財務上の問題を抱えた企業に対して、負債の再編やコスト削減策、戦略の見直しなどを支援。
    • 特に破産に直面する企業の再建をサポートする業務も手掛けていました。
  • 資産管理・投資戦略のアドバイス
    • 大規模な機関投資家や富裕層向けに、資産運用の戦略やポートフォリオ構築に関する助言を提供。

日本での影響

リーマン破綻直後、わずか2週間ほどで世界中の中央銀行による資金供給が不安定な状況に陥ります。

日本では当初、事態の深刻さが過小評価されていたこともあり、危機感を共有するまでに時間を要したため、対応が遅れる結果となりました。

その影響で、株価の暴落や受注の激減による輸出企業への打撃、業績悪化に伴うリストラや派遣切り、投資家や企業の資産減少が相次ぐこととなります。

これに対応するため、日本政府は雇用支援策や金融機関への資本注入といった政策を実施しましたが、景気後退の影響を避けることはできませんでした。

証券化商品市場の投資家の混乱

証券化とは、住宅ローンなどの資金をまとめ、それを担保に債券等の投資商品を発行することをいいます。
世界中の投資家に向け販売をしていた「証券化商品」の中には、複雑な仕組みや信用度の低い商品などもあり、格付け機関が不十分なリスク評価を示していたことから、その信用評価(格付け)を信じた、経験値の浅い投資家たちが大量に投資をしたため、問題が生じる事となります。


2007年:サブプライム住宅ローン問題

収入や財産が少ない顧客向けの「サブプライム住宅ローン」も多くあったことから、ローンの返済を延滞する顧客が増えたことで、延滞率が2007年頃から急激に上昇をはじめます、この経済の動きは一時的なものと予想されていたこともあり、対応が遅れたことで、後に大きな問題が生じる事となりました。


証券化商品の信用変化

一部の初心者や投資家などが、様子をうかがっている中、値動きに敏感なプロの投資家は、延滞率の上昇を見て、証券化商品の売却を始めたこともあり、結果として商品価格が下がりはじめ、多くの投資家が下落の波に呑まれて行く事となります。


リーマンブラザーズの破綻

大手投資銀行のリーマン ブラザーズも、自社で大量に証券化商品を発行・保有していました、その商品価格が さらに下がり続け、損失が膨らんだことで資金不足に陥ります、市場では「リーマンは救済されるだろう」と期待もされていましたが、アメリカ政府は救済を行わず、リーマンは資金不足で破綻する事となりました。この出来事は金融市場に大混乱を引き起こす事となったのです。


資金調達市場の崩壊

投資銀行が証券を使って短期的な資金を調達するための仕組み(レポ市場)は、投資銀行にとって重要な存在でしたが、リーマン破綻後、これまで安全だとされていた証券化商品の信用がなくなり、資金が回らなくなった結果、資産の投げ売りが加速し、すべての金融商品の価格が暴落した事で金融危機が拡大していきます。


政府の対応と危機の収束

アメリカ政府は短期間で7,000億ドルという巨額の資金を投入し、大手銀行への資金注入を行い、ヨーロッパ各国も同様に大規模な支援を実施する事となります。これらの迅速な対応がなければ、さらに多くの企業が倒産し、失業が広がっていた可能性もあったと想定されています。


リーマン ショック級の危機は再び起きるのか?

リーマン ショックの本質的な問題は、「安全だと思われていた商品が突然信用を失ったこと」によります。

同様な危機が再び起きるとしたら、今も安全だと信じられている資産(国債や銀行預金など)が危険になるときかもしれません。日々のニュースや市場の動きを注意深く見ることが大切です。


ビットコインの将来性

ビットコインはリーマンショック後に各国の中央銀行や金融機関に依存しない新しい通貨システムとして誕生しましたが、まだ成熟しているとは言えません。しかし、2024年1月より米国で投資対象商品(ETF)として承認され、6万ドル付近から機関投資家や企業が数億円規模の投資を始めたことにより、成熟の兆しも見え始めています。

ビットコイン相場が成熟した場合、金相場のボラティリティと似たものになる可能性が期待できると言えるでしょう。

ただし、日本では仮想通貨に対する課税が比較的厳しく、円への交換に対する税率が高いため、投資家にとっては負担が大きいと言えます。

ビットコインが金のような安定資産として広く受け入れられるためには、税制や手数料に関する改善が求められるでしょう。

これらのコスト(手数料や税金)は投資に直接的に影響を与えるため、投資をする際は慎重に考慮する必要があります。

以上で[リーマンブラザーズの破綻が世界経済の変化をもたらした]の記事を終わります。